株式会社元野木書店 元野木正比古さん

株式会社元野木書店の元野木さんに、普段の活動、ここっちゃへ参加した想い、今後についてお話を伺いました。

――普段、どのような活動されていらっしゃいますか。

普段は、本屋の専務をしています。そのほかに、家を守る会社、家守会社の代表をしています。主にその2つです。

――老舗の書店とお伺いしました。

明治10年創業なので、もうすぐ150年を迎えます。
自分はまだ継いでいませんが、父が6代目なので、自分が継いだ時は7代目になりますね。

――後を継ぐきっかけはありましたか。

本屋を継ぐ気はなく、東京の方で臨床心理士の仕事をしていました。ところが、跡を継ぐ話がきまして悩みまして。そこでお金の勉強をしました。でも、継ぐ気はなかったんです…。
お金の勉強をし、お金の知識を得た状態で本屋の状況を見てみました。本屋を継ぐ決断はまだしていなかったのですが、まだできるところはあると伸びしろを感じ戻ってきまして、自分が継いで活動しているというような流れです。

――本屋さんの2階にお邪魔していますが、本だけでなく色々なことが楽しめるところのようですね。

この2階が、ここっちゃの清水さんと繋がった場所です。そのきっかけとなったリノベーションスクール@イイヅカが、4年前にここで行われたのですが、当時は倉庫でした。リノベーションスクールの課題物件として、色々な方にアイデア出してもらい、そうして実現したような場所です。

本屋なので、主な使い方は「学び」です。学びといってもテーマは広いし、年齢も幅も広いので、わりと自由に使っていいですよと場所を提供しています。

――活動されている中で、こだわりのようなことはありますか。

本を手に入れるのは、おそらくアマゾンが最適化したと思います。それはどうしようもなくなっていますが、本屋の役割って何だろうと考えた時に、本を渡すとか与えるじゃないんだなと。
では、本屋に来てくれる人は何を求めているんだろうとか、どういった本屋にすれば人が来てくれるんだろうということを、突き詰めて色々やっていく必要があると思っていまして。
うちは教科書を扱っている本屋なので教育にはちょっと重点は置きつつ、色々な方とコミュニケーションを取り、学校関係のお話だったら一緒にやっていきますし、地域のお役に立てればというところもあり活動しています。

それに、直方と行き来する何か作っても面白いんじゃないかとか考えています。
直方でやっていることを飯塚にもできそうだなとか、逆に飯塚のものを直方に持ち込んでみようかなとか、様々な可能性を感じています。

何か楽しそうだなと思ったら食いついてみようという感じですね。
以前、直方商店街のコミュニティーラジオに出させてもらったこともあるんですよ。そこに飯塚の人が出ていいんだ思ったことがありまして。

――ここっちゃの出店でイメージされていることはありますか?

今、小学校で読み聞かせなど行っていますが、その時に面白い本があって、読み聞かせでこれをやったら盛り上がったよとか、これはちょっとコツがいるよ…みたいな本を出しても面白いかなと考えています。

いろいろな関わり方をして、実は飯塚のお店だったと、直方で思ってもらったら面白いかなと。
よくあるんですが、そこで思い出を作った人が大きくなった時に、小さい頃、ここでこうしたよね…と、話を皆さんしてくれるんです。

そういう今の子どもたちが10年後、20年後、30年後、直方のここっちゃというところで、こんな思いで作ったよね。実はこの元野木って人と関わったよね…ということを言ってくれるような、何かが残せると面白いなと。自分自身、子育てしながら自分も楽しみつつ、仲間を増やしながら街中を一緒に盛り上げていければと思っています。

今まで直方へ行っていた人が飯塚に来るとか、その逆もあると思っていて、その辺りを橋渡しというとちょっと大げさかもしれませんが、繋ぐようなことを何かできると面白いかなと。
ただ本を売って、直方の市場を荒らしに行くとかじゃなく、ちょっと飯塚に来てみませんかといった呼び水になると面白いかなとそんな感じです。

――直方の中心市街地のにぎわいづくりへの参加とあるんですけど、何か期待されることはありますか。

出展者さんは、おそらく面白い人たちが来るだろうなと思っています。その人たちとも繋がりができたら面白いかなということもありますし、自分もここっちゃで紹介して、また面白い人と繋げることができれば、それでまた面白いと思うんですよね。

何か化学反応じゃないですけど、たくさんの人たちとこのネットワークは色々共有したいですし、そういうのにちょっと期待はしているところはあります。

――今後の目標を教えてください。

いろんな表現があると思うんですけど、将来の子どもたちに、ここにいて何か良いことあるのかとか、このまま何もないよねという状態で受け継ぐのは、ちょっと悲しくなります。
こういったことが面白そうとか、あの人に相談すると何か楽しいことを聞けそうという状態を作っていきたいというか。
それは飯塚だけではなく、筑豊という大きな見方をして。自分たちがここまでやって、どうぞ楽しんでねといった状態にできるのが理想かなと思っていて、今の子供達が活躍できる場も作りたいと考えています。

--今日は、ありがとうございました。

取材日:2023年2月22日

【取材の撮影ご協力】
株式会社オフィスブロッサム
代表取締役 りきひさけんたさん
佐野桃佳さん(北九州市立大学在学)
末廣和音さん(北九州市立大学在学)
下田千景さん(北九州市立大学在学)