アトリエ・ブランシュ、フラワーデザイナーの野﨑さんに、普段の活動や、ここっちゃへ参加したきっかけ、これからについてお話を伺いました。
――普段、どのような活動をされているのでしょうか。
漆喰の花、「LACOTTA(ラコッタ)」を製作しています。
私自身が考案し、商標登録も行い、直方銘花としてふるさと納税返礼品に登録しています。
以前は、外車のショールームのお花を生ける仕事をしていました。
アシスタントはいましたが、ショールームは広いし、たくさんのお花を抱えていくのは、本当に大変で。
フラワーアレンジメント教室もしていたんです。
――漆喰の花はどのように作られたのでしょうか。これまでのことを教えてください。
ショールームの仕事はコロナ禍で辞退し、その後、ハウスメーカーの方から出張レッスンのお話をいただきました。感染症が心配だとお伝えしたところ、うちは漆喰を使っています、抗菌作用があるから大丈夫ですよと言われました。
そこで、漆喰について色々と調べ、抗菌消臭除湿効果があることを知り、これはいい!お稽古する材料は漆喰でお花を作ろうと思い付きました。
それから、漆喰と戦って2か月。やっとお花が出来たんです。
製作をスタートして、ふるさと納税返礼品にも登録させていただいて。けれど、なかなか人の目に留まる様子がなく、作品展を谷尾美術館で作品展を開くことにしました。
直方市長をはじめ、多くの方に来ていただきました。普段、車椅子を使用している方も松葉杖で来てくださって、とても大変そうでしたけれど、来てくださってとても嬉しかったです。 その後、漆喰で製作した胡蝶蘭を市長室にお贈りし、多くの方にも見ていただきたいと思いましたので、直方市の中央公民館にも胡蝶蘭を飾らせていただいています。
――お使いの漆喰にこだわりなどありますか。
漆喰は、二酸化炭素を吸収して、水を出して固まっていくものです。エコ素材といいますか。
私が使っているものは、主に自然派の漆喰です。
今、母の日に向けて漆喰屋さんと一緒に、カーネーションの赤色を試行錯誤しています。
元の色が白色だから、大変なんですよ。
――ラコッタはどのように使用できますか。
ラコッタは、アロマオイルを数滴垂らして、ディフューザーのようにお使いいただけます。
今、家に誰もいない、お仏壇だけがお留守番しているところもありますよね。
様々な花の形を用意していますが、蓮の花の形をしたものもありますので、お仏壇に置くのも良いかと思います。
――家でおしゃれに飾れますね。眠るときは香りがあると、お母さんたちも嬉しいですね。製作体験はできますか?
これから考えていきます。
――ここっちゃへの出店のきっかけを教えてください。
販売先を考えていたところ、直鞍ビジネス支援センターから、ここっちゃがオープンすることを聞きました。
子育て支援とのことでしたので、関係ないと思ったのですが。多世代交流スペースと書いてあったので、私も参加できるのでは…と、応募しました。
――製作はお一人でされているのですか。
現在、製作はうちのスタッフ数人と、直方市内のB型支援施設の方々と一緒に行っています。
実はまだ生産力はあまりありませんが、売れるようになってほしいです。
私は、ラコッタを障がい者施設の方の、工賃アップのためのツールとして使っていただきたい、全国に広めてもらいたい。今は、私のところが製作・加工・ラッピングなどの作業をそれぞれお願いして進めていますが、その作業工程を施設でまとめてお願いすることができれば、施設ごとの工賃が上がるのではないかと考えていて、私のところから離れて、そして日本中で広がっていくといいな…と思っています。
型は、自作と市販のものとを使用しており、型に流して製作しますので、職人さんはいりません。
製作は主に、手の不自由な方にお願いしています。足が不自由な方は、テーブルの上での仕事はできますが、手の不自由な方が仕事をするのは、なかなか難しい状況です。けれど、ラコッタであれば少しの補助で、そのような方でも仕事をしていただけます。頑張ろうという気持ちと、自信をもっていただけているようです。
製作当初は、運営が厳しくなったときに辞めようと考えていました。
現在、色々なところと、たくさんの方と繋がって、お仕事をお願いしているので、頑張らなければいけません。
応援してください!
――これからも目標やビジョンを教えてください。
私の実家は、直方商店街にあります。直方で生まれ育って二十歳くらいまでいました。結婚して戻ってきたら、寂しくなっていて。幼い頃遊んでいたのに…と。最近は、イベントの開催もあって、楽しそうな雰囲気もありますね。
私は、ここにしかないよというものを作り、ネットで購入していただくだけではなく、直方市へ足を運んでもらいたいと思っています。
漆喰は、100年で石灰石に戻るといわれています。
100年花ということで縁起の良いお花、お祝い事に使っていただけるようなものをと考えています。
ふるさと納税返礼品で、多くの人にお手に取っていただき、少しでも直方市の資金になればと考えています。
直方商店街に人の流れを作って、ふるさと納税で豊かな市にすることが目標です(笑)。
――今日は、ありがとうございました。
取材日:2023年2月21日
【取材の撮影ご協力】
株式会社オフィスブロッサム
代表取締役 りきひさけんたさん
りきひさくるみさん
佐野桃佳さん(北九州市立大学在学)
末廣和音さん(北九州市立大学在学)